15日目 サルスベリの花を見る

最高の目覚め

その日の朝は最高の気分で目が覚めました。頭はスッキリと冴えているし、二度寝したくなる眠気もなし。休職してから、こんなに良い気分になったのは初めてです。

理由はおそらく、前日の座禅ではないでしょうか。すごく身も心もリラックスできて、すっと眠れたのが印象的でした。

あらためて、朝までスマホをいじっていた次の日は風邪を引いたり、座禅でリラックスできた次の日はシャッキリと目が覚めたりと、「寝る前の過ごし方」って重要だなと痛感。

「こんなに調子が良いなら、会社のサイトを見ても大丈夫かな」
と、よせばいいのに自社が運営しているウェブサイトを閲覧。
毎朝、自社のコラムとか、利用者の口コミとかをみるのが仕事をしていた頃の日課だったのです。

でも、だめでした。サイトをみると、よくわからないけれど、自分の居場所がもうなくなってしまっているような、変な疎外感と無力感に襲われました。

両親と病院へ

昼は両親と心療内科へ。先生を交えてだと、びっくりするほど両親がおとなしくてびっくり。意外と先生のいうことにじっくり耳を傾けてくれました。

なにはともあれ、あんまりプレッシャーをかけられることが減りそうで安心。

診察が終わると、弟に車で迎えに来てもらったのですが、目まいがするのでまっすぐ立って待つことができませんでした。

歩くことがアイデンティティだった自分

夕方、暑さが一段落してから外出。

今の自分はとにかく全体的な機能が低下していて、歩く速度がゆっくりになっています。例えると、コンビニ袋を提げてぶらぶらしているおじいちゃんと同じくらいの速さ。

今日はベビーカーを押して歩く女性にまで追い抜かれて、ちょっとショックでした。

元気だった頃の自分は歩くのが得意で、登山によく行っていました。調子がいい時は、一日で30kmぐらいは歩けた。

それなのに、今はおじいちゃんのようによぼよぼとしか進めない。喪失感がある一方で、「元気になったら登山に出かけたい」という目標も生まれました。

このブログは、自分がうつ病になって何を失ったかを確認する記録でもあり、何を取り戻せたかを確認する記録でもあります。
サルスベリの花

近所のマンションのそばを歩いていると、ある街路樹が花を咲かせていました。
花は目に優しいピンクの色で、コスモスのよう。かけられた札をみると、「サルスベリ」の木でした。

サルスベリの木なら、そのつるつるした樹皮に何度もさわったことがあるけれど、開花しているところを見るのは初めてかも。

うつ病になると「色彩感覚がなくなり、見える景色がすべて灰色になる」という人の話を聞いたことがあります。
でも、自分には色彩感覚は残っている。食欲も、うつ病の割にけっこうある。そんな小さなことが少しだけ嬉しかったりします。

いつものカフェで過ごす

今日も行きつけのカフェで過ごします。
マスターは自分の名前を知っているし、たまに会話もするけれど、自分がコーヒーを頼むと必ず
「今日は砂糖(アイスコーヒーの場合はガムシロップ)をつけますか?」と聞きます。
あえて常連扱いしない距離感がいいなと感じます。

ただ、会計する時に「レシートいりますか?」という質問も必ずしてくれるんですが、こっちは省略してくれてもいいんだけどな、とわがままなことを思ってしまいました。

今日の座禅

今日も素敵な目覚めを期待して、30分の座禅。ちょっと考え事しながら深呼吸しているような状態で、あまり集中できませんでした。