8日目 下痢になって、浜松城の夢を見る

下痢になる

その日はひどい下痢でした。
とにかくお腹が痛くて、トイレに5回ほどこもりました。

原因は火を見るよりも明らかなこと。昨日の深夜の暴飲暴食です。

今は心の不調を治すのが最優先なのに、自分から体調を悪くするようなことをして、自分が情けなくなりました。

また、お腹の調子が悪いと気分も落ち込みます。
「もうこんな人生、生きていても仕方ないや」
「これからも何度もうつ病になりながら生きるんだろうな」
など、一時的とはいえ、かなりマイナスな考えが浮かびました。

二度目の診察

その日は通院を始めてから一週間がたった日。心療内科に行き、診察を受けます。
「薬を飲んだ後も、寝付けなくてスマホとかいじってしまうんです」
と伝えると、なぜか薬を少し軽くしてもらうことに。
「これからのことは、ゆっくり眠れるようになってからにしましょう」
と先生は言いました。
本当は「これからうつ病を治すにはどうしたらいいか」「これからのことをどう考えていけばいいのか」など聞きたかったのですが……

診察が終わると、両親に「何を話したの?」「自分の問題については話せたの?」などあれこれ聞かれて、少しプレッシャーに感じました。
また、父は「うつ病って、原因がなくなるとすぐに良くなるらしいぞ」と言ったけれど、それはあまりにも軽率な言葉に聞こえました。
自分の場合、職場の人間関係や仕事量が原因ですが、それなら仕事を変えるだけでうつが治るのでしょうか……。

浜松城の夢を見る

病院から帰ると、ひたすら寝て体力を回復。
すると、もう何度目かわからないけど、夢を観ました。

夢の中で、自分は見晴らしの良い丘に立っていました。
あたりはちょうど夜になったところで、ライトアップされた町が視界いっぱいに飛び込んできます。大きな和風のお城に、小規模な町並み、そして黒く染まった森。

空気が湿っているのか、光の粒子がぼや~っとにじんでいて、まさに夢のような景色でした。

なんてキレイなんだろうと、思わず自分は大声を上げて泣いていました。(夢の中で泣くのはもう何度目でしょうか…?)
景色がズームアップすると、お城の名前は「浜松城」であることが判明。なぜ浜松城? 浜松は行ったことあるけれど、お城なんてあったかな……

目が覚めたあとでも、その景色の感動はしばらく忘れられないほどでした。

調べてみると、浜松城は実際にあったお城で、今ではレプリカが残っているよう。
浜松城が自分を励ましてくれたのかな。『浜松城を見るまで死ぬなよ!』って」と、無理やりポジティブに解釈すると、ちょっと元気がもらえたような気がします。

気分がどん底の時は、こうやって理由をこじつけてでも生きる理由を見つけようと思っています。

いつか元気になったら、浜松城に行ってみようと思います。元気をくれたお礼を言うために。

深夜。なんとか下痢も治まりました。
youtubeで「メアリと魔女の花」のED 『RAIN』を聴いたら、思わず涙が出てきました。
この映画を観たのは去年だったかな? あの時はやる気もたくさんあって、会社でも色々なことを企画したり提案したりして、すごくキラキラしていた。本当に、つい去年まではけっこう楽しい毎日だったんだよな……

でも良かった。自分には「泣けるうちはまだ大丈夫」というジンクスがあり、涙を流せるのはむしろ健康な証だと思うのです。

泣くと気分がすっきりして、「またああいう生活が送れるようになったら、すごい素敵じゃん!」
「自分にも幸せな時期があったことを思い出せてよかった!」
と、今まで落ち込んだ分、ぐーんと前向きな方に気持が跳ね返りました。

うつ病って不思議です。状況は同じでも、「もう自分はおしまいだ」と思ったり、「まだまだ自分はいけるよ!」と明るい気持ちになったりする。

つまり、気の持ちようで、人生は良くも悪くもなるということ。
物事を悪くとらえがちな自分は、少しでもものごとを良い方向へ考えられるようになりたいと願うのでした。

15分の座禅。今回は集中できたようで、あまり雑念が浮かびません。
寝る時間になったので薬を飲むと、スマホをさわらないように遠くへ置き、そのまま眠りました。