3日目 夜中に歯医者へ行く
午前7時に目覚め、二度寝。
布団を出たのは午後1時でした。
もらった薬の影響なのか、とにかく朝の眠気がすごく、そのまま二度寝してしまう日々が続いています。先生からは規則正しい生活を送るよう言われているため、なるべく昼前には布団から出たいのですが……
天気は相変わらずの猛暑が続いており、外に出たら一瞬で倒れてしまいそうなほど。
自分のメンタルが限界を迎え始めた7月初旬も、こんな天気が続いていました。
頭がふっとうするような、全身から力を奪い取るような暑さの中で会社に向かっていると、世界が自分に悪意を向けてきているような、そんな怖い気分になったことを思い出します。
この日は月曜日。
自分がうつ病と診断されたのは土曜日のため、上司たちは今ごろきっと、人事から自分がうつ病であることを聞いているはずです。
そう考えると、少し怖くなりました。仕事を途中で降りてしまったこと。自分で望んで今の部署に入ったにもかかわらず、倒れてしまったこと。「あいつは使えないやつだ」と、陰で笑われてはいないかということ。
心療内科の先生も、人事の人も、「今は自分のことだけ考えて休んで」と言ってくれたけど、どうしても会社の人のことを考えてしまいます。そういえば、ずいぶん前から自分は、他人の評価ばかり気にして生きていた気がする……
その日は軽く本棚の整理をして過ごしました。
3年ほど前から読んだ本を整理しておらず、本棚はパンパン。
もう読まなくなった本であふれた本棚は、まるでサビだらけの車みたいなものに思えます。
いらない本をまとめながら、「『アドラー心理学』だって『7つの習慣』だって、あんなに心理の本とか自己啓発の本を読んだのに、自分の心はちっとも強くならなかったな……」
考えてもしょうがないことが頭に浮かびました。むなしい。
午後9時。自転車を漕いで歯医者へ。
こんな時間に歯医者に行くのは、休職する前に入れておいた予約だから。午後9時という時間は、仕事帰りに寄るのにピッタリなのです。
治療が終わると、20代くらいの男性が支払いをするところでした。
彼は麻酔を使った治療をしたらしく、ほほが腫れてうまく喋れない模様。
「ふひはへん、ふぁーどはふはへはふは?(すみません、カードは使えますか?)」
「あっ、お支払いはあとになっても大丈夫ですよ」
久しぶりに面白いできごとに出会えて、ちょっとだけ嬉しくなりました。
家に帰ると、深夜なのにクッキーなどを間食。仕事を休んでから、やたらとものを食べたくなるのを感じます。とにかく何か胃に入っていないと落ち着かない。ストレスでしょうか?
食べ過ぎのためか、お腹も下り気味。メンタルを治すなら、体調もきちんとケアしないと。
この日は日課の座禅を忘れてしまい、そのまま就寝。